三菱電機のEthernet/IPユニットQJ71EIP71とOMRON NJ501CPUの内蔵EthernetポートをEthernet/IP(Explicit UCMM)で接続します。
本稿では、OMRON NJでExplicit(UCMM)通信命令を実行して三菱Qのデバイス値を読み書きします。
QJ71EIP71自体はImplicit及びExplicitに対応してはいますが、タグのみ対応でインスタンスIDやメッセージ通信は非対応です。
よって、タグを作成できるPLCとの接続用のユニットということになりますが、タグが作成できるPLCなら確実に接続できるわけではないので注意が必要です。
(本稿でわざわざNJ側でExplicit UCMM命令を実行する使い方をしているのはそういうことです)
なお、RCPU用のRJ71EIP91はQJ71EIP71とは仕様が異なり、「MELSEC iQ-R EtherNet/IPネットワークインタフェースユニットユーザーズマニュアル(応用編)」の「付6」に比較表があります。
マニュアルにも著作権があるのでキャプチャした表を貼ることはしませんが、QJ71EIP71で出来ることを確認したい場合はRJ71EIP91のマニュアルを見る方が分かりやすいかと思います。
1 構成
2 Q03UDVCPUの設定
2.1 PCパラメータ設定
PCパラメータのI/O割付設定に以下のようにQJ71EIP71を設定します。
“設定終了”でPCパラメータを閉じ、オンラインから“PC書込”でパラメータとプログラムを書き込み、CPUリセットします。
2.2 QJ71EIP71の設定
“EIP Configuration Tool”を起動し、“Setting”タブの“Message”タブを開き、以下のように2個のタグを設定します。
“Online”の“Download Parameter”を選択します。
“All Select”を選択し“Download”を選択します。
“はい”
“はい”
“OK”
3 NJ501の設定
3.1 内蔵Ethernet/IPポート設定
内蔵Ethernet/IPポートのIPアドレスを以下のように設定します。
3.2 UCMMメッセージ通信プログラムの作成
STのプログラムPOUを追加して、CIPUCMMSendのヘルプ記載のサンプルプログラムをコピペします。
以下のように、今回不要なCASE文“3”を削除し、ルートパスと他局変数名を三菱QJ71EIP71に合わせて修正します。
オンライン接続して同期します。
4 動作確認
① Q03UDVCPUのY0をONして通信開始します。
② “EIP Configuration Tool”で作成したNJ側で読み出すタグ“Tag1_UCMM”に割り付けたデバイスD22に値“99”を設定します。
③ “EIP Configuration Tool”で作成したNJ側から書き込むタグ“Tag2_UCMM”に書き込む値“100”を変数“WriteDat”に設定します。
④ NJ501側のプログラム内の変数“Trigger”をONしてUCMM通信命令を実行します。
5 参考文献
三菱電機:MELSEC-Q EtherNet/IP Network Interface Module User’s Manual
以上。