Allen-Bradley Micro850(Client) & Mitsubishi FR-E820-EPA(Server) : Ethernet/IP Explicit

PLC

Allen-Bradley Micro850とFR-E820-EPAをEthernet/IP(Explicit)で接続します。
Micro850からFBを使用してExplicitメッセージを発行し、FR-E820-EPAを制御します。

1 構成
2 FR-E820-EPAの設定
2.1 IPアドレスの設定

FR-E820-EPAのパラメータ1434~1437にIPアドレス192.168.250.2を設定します。
Pr.1434:192
Pr.1435:168
Pr.1436:250
Pr.1437:2

2.2 Pr.1427~Pr.1430 Ethernet機能選択1~4の設定

Ethernet/IPを有効にするため、Pr.1429 を“44818”(Ethernet/IP)に変更します。

2.3 Ethernet 操作権指定 IP アドレス(Pr.1449 ~ Pr.1454)の設定

Micro850からの操作を可能にするため、以下のようにパラメータ設定します。
Pr.1449:192
Pr.1450:168
Pr.1451:250
Pr.1452:1
Pr.1453:9999
Pr.1454:9999

3 Micro850の設定

Connected Components Workbench(以下CCW)を使用してMicro850側の設定を行います。

3.1 サンプルコードのダウンロード

Micro850(2080-LC50)でExplicit用のプログラムを組む必要がありますが、無償のファンクションブロックとサンプルプログラムが用意されています。
Rockwell AutomationのSample Code Libraryで以下の文言で検索します。
“Micro800 CIP Messaging Quick Start Sample Code”

“DOWNLAOD”を選択し表示されるウィンドウにE-MAILアドレスを入力すると、ダウンロードリンク付きメールが送られてきます。

リンクからダウンロードしたサンプルコード“QS_CIPG_Single.ccwsln”をCCWで開きます。


“Controller”下の“Ethernet”を開き、“Internet Protocol(IP) Settings”を以下のように設定します。

3.2 ラダープログラムの設定

CCWのプログラム“GetCatalogID”の“Local Variables”を開きます。

変数“A_AppCfg”及び“A_TarCfg”の“Initial Value“を以下のように設定します。
また、変数“A_ReqData”のDimmenshonを“[1..4]”に変更します。

3.3 Micro850設定の書き込み

Micro850にUSB接続し、CCWの“Device”下の“Connect”を選択します。
“Download current project to controller”。

“Download with Project Values”。

“はい”。

4 動作確認
4.1 動作確認(Vendor IDの読出し)

Micro850にオンライン接続した状態で、変数“Get_Catalog”を右クリックし“Toggle Boolean Value”を選択するとExplicit通信が実行されます。

変数“A_ResData”に10進数“161”が格納されますが、これは16進数で“00A1”となりFR-E800のVendor IDと一致しています。

4.2 動作確認(Extended Speed Control Output(拡張速度制御出力)の書込み)

Micro850とオンライン接続した状態で、変数“A_AppCfg”を以下のように設定します。
Service = 16(0x10)は“Set_Attribute_Single”を意味します。

“インスタンス 21(15h):Extended Speed Control Output(拡張速度制御出力)“を指定して正転指令でインバータ駆動する場合、
0バイト目のBit0(Run fwd)、Bit5(NetCtrl)、Bit6(NetRef)をオンするため、変数“A_ReqData[1]”の該当Bitをオンします。

“A_ReqData[3]~[4]”に任意の設定回転数(単位はRPM)を指定します。

“A_ReqLength”には4を指定します。

変数“Get_Catalog”を右クリックし“Toggle Boolean Value”を選択するとExplicit通信が実行され正転指令がオンします。
停止する場合は、変数“A_ReqData[1]”のBit0をオフした状態で再度Explicit通信を実行します。

4.3 動作確認(Extended Speed Control Input(拡張速度制御入力)の読出し)

Micro850とオンライン接続した状態で、変数“A_AppCfg”を以下のように設定します。
Service = 14(0x0E)は“Get_Attribute_Single”を意味します。

変数“Get_Catalog”を右クリックし“Toggle Boolean Value”を選択するとExplicit通信が実行され、
正常完了すると変数“A_ResData”に“Extended Speed Control Input(拡張速度制御入力)”の状態が格納されます。

5 参考文献

三菱電機“FR-E800 取扱説明書(通信編)”
Rockwell Automation“Micro800 Programmable Controllers General Instructions”
Rockwell Automation“Micro800 Programmable Controllers: Getting Started with CIP Client Messaging”

以上。