Siemens S7-1200と三菱電機 FR-E820‐EPAをEthernet/IP(Implicit)で接続します。
S7-1200用のEthernet/IP(Implicit)通信機能を実現するサンプルプログラムが提供されているのでこれを利用します。
1 構成
2 S7-1200の設定
2.1 サンプルプログラムのダウンロード
参考文献に記載のSiemens社のサイトから今回使用するサンプルプログラムをダウンロードします。
2.2 S7-1200の設定
TIA Portalの“プロジェクト”→“リトリーブ”からダウンロードしたZIPファイル内のプロジェクトファイルを選択し開きます。
”デバイスとネットワーク”を開き、今回必要なS7-1200以外は削除します。
今回使用するS7-1200がサンプルとは機種が異なるため、“デバイスの変更”で修正します。
S7-1200のIPアドレスを以下のように変更します。
プログラムブロックに予め作成された定周期割り込み“taskEnetScanner[OB30]”を開き、
ネットワーク1と2を削除して以下のように“LCCF_EnetScanner”のみの状態にします。
“EnetIoSystem[DB2]”を開き、“adapters[0]”の開始値を以下のようにFR-E820EPAのEDSファイルに合わせて修正します。
2.3 プログラムの作成
FR-E820EPAを制御するためのプログラムを作成します。
2.4 設定の書込み
S7-1200とパソコンをオンライン接続し、TIA Portalから書込み操作を行います。
3 FR-E820-EPAの設定
3.1 IPアドレスの設定
IPアドレスの初期設定値は192.168.50.1(サブネットマスク255.255.255.0)です。
FR-E820-EPAのパラメータ1434~1437にIPアドレス192.168.250.2を設定します。
Pr.1434:192
Pr.1435:168
Pr.1436:250
Pr.1437:2
3.2 Pr.1427~Pr.1430 Ethernet機能選択1~4の設定
Ethernet/IPを有効にするため、Pr.1429 を“44818”(Ethernet/IP)に変更します。
3.3 Ethernet 操作権指定 IP アドレス(Pr.1449 ~ Pr.1454)の設定
S7-1200からのインバータ操作を可能にするため、以下のようにパラメータ設定します。
Pr.1449:192
Pr.1450:168
Pr.1451:250
Pr.1452:5
Pr.1453:9999
Pr.1454:9999
4 動作確認
“InstScanner[DB3]”を開き、モニタ開始した状態で“Input.enable”をTRUEに切り替えます。
“Class1_Get_St_Reauest”をTRUEにします。
FR-Configurator2の一括モニタで確認すると、回転数300RPM(周波数10.00Hz)がFR-E820EPAに書き込まれています。
“Forward_Rotation_Start”をTRUEにします。
FR-Configurator2の一括モニタで確認すると、出力周波数及び回転速度が設定値の通り動作しています。
5 参考文献
Siemens:EtherNet/IP Scanner – Connecting third party I/O’s using EtherNet/IP
以上。