Beckhoff CX5140と三菱電機 FR-E820-EPAをEthernet/IP(Implicit)で接続します。
Beckhoff CX5140の内蔵Ethernetポート(X001)に「TF6281 | TwinCAT 3 EtherNet/IP Scanner」を適用してOriginator(Scanner)化し、三菱電機FR-E820-EPAをTarget(Adapter)として設定します。
1 構成
2 FR-E820-EPAの設定
2.1 IPアドレスの設定
FR-E820-EPAのパラメータ1434~1437にIPアドレス192.168.250.2を設定します。
Pr.1434:192
Pr.1435:168
Pr.1436:250
Pr.1437:2
2.2 Pr.1427~Pr.1430 Ethernet機能選択1~4の設定
Ethernet/IPを有効にするため、Pr.1429 を “44818”(Ethernet/IP)に変更します。
2.3 Ethernet 操作権指定 IP アドレス(Pr.1449 ~ Pr.1454)の設定
Originatorからの操作を可能にするため、以下のようにパラメータ設定します。
Pr.1449:192
Pr.1450:168
Pr.1451:250
Pr.1452:10
Pr.1453:9999
Pr.1454:9999
3 Beckhoff CX5140の設定
TwinCAT3で新規プロジェクトを作成し、CX5140とオンライン接続した状態とします。
3.1 TF6281の設定
“Device”を右クリックし“Add New Item…”。
“Ethernet/IP Scanner”を選択し“OK”。
追加した“Device 1 (TC3 EIP Scanner)”の“Settings”に赤枠で示したIPアドレス他を設定します。
“Sync Task”の設定を行います。(推奨)
“Device1(TC3 EIP Adapter)”を選択し“Sync Task”を開き“Create new I/O Task”を選択します。
適当な名前を付けて“OK”。
Cycle ticks設定はデフォルトで使用します。
(Cycle ticks設定上の注意事項は公式Help参照)
3.2 FR-E820EPAのEDSファイルインポート
FR-E820EPAのEDSファイルを三菱電機ホームページからダウンロードするなどして入手します。
“Device 1 (TC3 EIP Scanner)”を右クリックして“Import EDS File”を選択し、FR-E820EPAのEDSファイルを選択します。
“OK”。
3.3 FR-E820EPAの設定
“Device 1 (TC3 EIP Scanner)”を右クリックして“Add New Item”を選択します。
FR-E800-Eを選択し“OK”。
“Settings”タブのIPアドレスを設定します。
3.4 交信デバイスの設定
“Box 1 (FR-E800-E)”を右クリックし“Append IO Connection”から“Extend Speed Control”を選択します。
“はい”。
3.5 PLC Taskの設定
“PLC”を右クリックし“Add New Item”を選択し適当な名前を付けて“Standard PLC Project”を作成します。
FR-E800-EのInputに合わせた以下のような構造体型を作成します。
同様にOutputに合わせた構造体型を作成します。
作成した構造体型を使用したグローバル変数を作成しビルドします。
作成したグローバル変数をFR-E800-Eの入出力にリンクします。
3.6 プログラム作成
正転駆動用のSTプログラムと操作用のWeb Visualizationを作成します。
(参考:“FR-E800 取扱説明書(通信編)”に記載の“1500r/min 正転で運転する場合のサンプルプログラム)
3.7 設定の書込み
CX5140とパソコンをオンライン接続し書込み操作を行い、TwinCAT3をRun状態にします。
4 動作確認
① “Connect”ボタンでFR-E820-EPAをネットワーク経由で操作開始。
② “SET Speed [RPM]”に目標速度を入力。
③ “Fwd”ボタンで正転開始。
5 参考文献
Beckhoff: TF6281 | TwinCAT 3 Ethernet/IP Scanner
三菱電機:FR-E800 取扱説明書(通信編)
以上。