OMRON NJ501 & Mitsubishi FR-E820-EPA : Ethernet/IP Implicit (Tag Setting : Network Configurator)

PLC

OMRON NJ501と三菱電機FR-E820-EPAをEthernet/IP(Implicit)で接続します。
NJ501のタグ設定はNetworkConfiguratorで行います。

「3.5 Ethernet/IP設定」以外はSysmacStudioで設定した場合と同じです。

1 構成
2 FR-E820-EPAの設定
2.1 IPアドレスの設定

FR-E820-EPAのパラメータ1434~1437にIPアドレス192.168.250.2を設定します。
Pr.1434:192
Pr.1435:168
Pr.1436:250
Pr.1437:2

2.2 Pr.1427~Pr.1430 Ethernet機能選択1~4の設定

Ethernet/IPを有効にするため、Pr.1429 を“44818”(Ethernet/IP)に変更します。

2.3 Ethernet 操作権指定 IP アドレス(Pr.1449 ~ Pr.1454)の設定

NJ501からの操作を可能にするため、以下のようにパラメータ設定します。
Pr.1449:192
Pr.1450:168
Pr.1451:250
Pr.1452:1
Pr.1453:9999
Pr.1454:9999

3 NJ501の設定

SysmacStudioを使用してNJ501側の設定を行います。

3.1 内蔵Ethernet/IPポート設定

“内蔵Ethernet/IPポート設定”を開き“TCP/IP設定”を選択します。
今回は“IPアドレス設定”を以下のように設定します。

3.2 ネットワーク変数の作成

FR-E800EPAとの通信で使用するデバイスは入力2WORD、出力2WORDとなります。
正転指令などをビット指定することを考慮し、WORDでもBITでも扱える変数を作成するために共用体を定義します。
“データ型”を右クリックし“編集”を選択します。

“共用体型”を選択し以下のような型を作成します。

“グローバル変数”を右クリックし“編集”を選択します。

以下のように変数を作成します。

作成したネットワーク変数のタスク間排他制御設定を行います。

後述するNetwork Configuratorでの設定に必要なタグ一覧のCSVファイルをエクスポートしておきます。
“ツール”の“グローバル変数のエクスポート”から“Network Configurator”を選択し、任意の場所にCSVファイルをエクスポートします。

3.3 プログラムの作成

FR-E820EPA制御用のラダーを作成します。
(参考:“FR-E800 取扱説明書(通信編)”に記載の“1500r/min 正転で運転する場合のサンプルプログラム)

3.4 転送[パソコン→コントローラ]

PLCにオンライン接続し、“転送[パソコン→コントローラ]”から設定を書き込みます。

3.5 Ethernet/IP設定

“Network Configurator for EtherNetIP”を使用してEthernet/IPの設定を行います。
FR-E820-EPAのEDSファイルがインストールされていない場合、“EDSファイル”→“インストール”からFR-E820-EPAのEDSファイルをインストールします。(今回は“e800e_rev1_2”を使用)

NJ501とパソコンをEthernet接続し、“オプション”の“インターフェースの選択”から“Ethernet”を選択します。

“ネットワーク”の“接続”を選択して以下の“接続ネットワークポートの選択”ウィンドウを開き、“TCP:2”を選択した状態で“OK”を選択します。

“接続ネットワークの選択”ウィンドウで既存のネットワーク“Ethernet/IP_1”を選択し“OK”を選択します。

“ネットワーク”の“アップロード”を選択し、確認ウィンドウで“はい”を選択し構成を読み出します。

読み出した構成のNJ501をダブルクリックし、デバイスパラメータの編集ウィンドウを開きます。

“タグセット”タブを選択し、“ファイル操作”から“ファイルからインポート”を選択し、前述したCSVファイルを選択します。

“はい”。

“はい”。

“コネクション”タブを選択し、未登録デバイス一覧のFR-E800-Eを選択し、ウィンドウ中央の下矢印ボタンを押して登録デバイス一覧に移動させます。

登録デバイス一覧のFR-E800-Eをダブルクリックしてコネクション割付ウィンドウを開きます。

コネクションI/Oタイプに“Extended Speed Control”を選択し、タグを下図のように設定し“登録”を選択します。

続いて新しいコネクション割付ウィンドウが開きますが、“閉じる”で終了します。
“デバイスパラメータの編集”ウィンドウを“OK”ボタンで閉じます。

“ネットワーク”から“ダウンロード”を選択し設定を書き込みます。

4 動作確認

変数“bClass1_GEt_Set_Request”をオンすると、通信経由での制御が有効になります。

変数“gFRE800EPA_Out1.W[1]”に周波数を設定します。
通信経由の場合、PLCで書き込む数値の単位はRPMですが、FR-E800EPA側ではHz表示となります。
計算式は「周波数Hz=回転数RPM ÷ 60 ×(極数 ÷ 2)」ですので、PLCで100RPMを設定すると、FR-E800EPAでは3.33Hzとなります。

変数“ForwardRotationStart”をオンすると、FR-E800EPAが正転出力します。

このとき、FR-Configurator2でモニタすると、出力周波数が3.33Hzに、回転速度/機械速度が100r/minになっています。

5 参考文献

三菱電機: FR-E800 取扱説明書(通信編)
OMRON:NJ_NXシリーズ CPUユニット内蔵EtherNet/IPポート ユーザーズマニュアル

以上。