本稿では安川電機のIEC標準言語対応コントローラMP2300Siec及びその開発環境である「MotionWorks IEC Pro」の概要を記載します。
当サイトを訪問するようなFA関係者には説明不要でしょうが、MP2300Siecは安川電機のコントローラMP2300SにKW-Software社(当時)のソフトウェアPLCを採用してIEC標準言語に対応したものです。
(KW-SoftwareがPhoenix Contactに買収されてPhoenix Contact Softwareとなって久しいですが、PLCというのもを多少なりとも触ったことのある人にとっては「KW-SoftwareのMULTIPROG」の方が馴染み深いかと思います)
ハードウェアについては、青いIEC対応のステッカーが貼ってある以外の外見はMP2300Sとまったく同じですが、内蔵EthernetポートがEthernet/IPに対応している点や、MP2000シリーズ用のオプションボードが一部しか使えないなど差異があります。

MP2300iecの開発環境である「MotionWorks IEC Pro」は30日間のトライアル版があるためこれを使用します。
(MP2300S用のMPE720とは全くの別物で互換性はありません)
「MotionWorks IEC Pro」の日本語マニュアルはありませんが、MULTIPROGを採用した日本企業も存在するため「MULTIPROG」で検索すれば日本語資料も見つかります。
余談ですが、日本国内向けとは別に、IEC対応品を海外対応で開発する流れは最新のMPX1000シリーズでも同様です。
国内向けの「MPX1310」の開発環境はMPE720のままで、Mechatrolinkを採用しています。
一方、海外向けの「iC9200シリーズ」は、開発環境「iCube Engineer」は「PLCnext」のものと同様でIEC標準言語対応となっており、EtherCATを採用するなど別物になっています。
1 MotionWorks IEC Proのダウンロード
安川電機のアメリカ法人のサイトからダウンロードします。
https://www.yaskawa.com/products/motion/machine-controllers/software-tools/motionworks-iec/-/content/_32b77949-e618-4aa6-a9d4-6454a55a6ea6_DownloadSoftware
当サイトで使用するのは下記赤枠の「MotionWroks IEC Pro v3.7.5」です。

インストールは解説する程のものではないため割愛します。
2 トライアルライセンスでの起動
トライアルライセンスで30日間使用するには、起動画面で「Use Trial」を選択するだけです。

3 参考文献
https://www.designworldonline.com/yaskawa-electric-and-kw-software-form-iec-alliance
以上。