SICK FX3-CPU0+FX3-GEPR(Originator) & Mitsubishi FR-E800-SCEPA : CIP Safety

SAFETY

SICKのセーフティコントローラFX3-CPUにEthernet/IPユニットFX3-GEPRを装着し、三菱電機のCIP Safey対応のインバータFR-E800SCEPAをEthernet/IP(CIP Safety)で接続します。
FX3からCIP Safety経由でFR-E800SCEPAのSTOなど安全回路を制御して動力遮断を行います。
FX3とFR-E800SCEPAを制御するオリジネータとしてOMRON NX1P2を使用しますが、Ethernet/IP制御部分は過去の記事と同じですので、本稿ではFX3とFR-E800SCEPAのCIP Safetyの設定部分のみ記述します。
事前にFR-E800SCEPAのEDSファイルを三菱電機ホームページから入手しておきます。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/download/software/detailsearch.do?mode=software&kisyu=/inv&shiryoid=0000000040

1 構成

2 SICK FX3の設定①

“Safety Designer”を開き、構成画面に“FX3-CPU”と“Generic EtherNet/IP CIP..”を配置します。

構成画面に配置したFX3-CPUを開き、GEPRを追加します。

“構成”の“ネットワーク設定”で以下のようにGEPRのIPアドレスを設定します。

構成画面に配置した“Generic EtherNet/IP CIP..”を開き、以下のようにFR-E800SCEPAのIPアドレスを設定し、“アクション”の中の“プロジェクトから適用”を選択します。(FX3-CPUのSNNが適用されます)

三菱電機FR-E800SCEPAのEDSファイルをテキストエディタで開き、以下のように入力します。

3 三菱電機FR-E800SCEPAの設定

FR-Configurator2のパラメータ設定で以下のようにインバータ本体のIPアドレスを設定します。

パラメータ設定1429に“44818”を設定しEthernet/IPを有効にします。

パラメータ設定1449~1454を以下のように設定します。

安全パラメータを開き、S001、S002を以下のように設定します。

“安全パラメータ設定”の“CIP Safety”から“TUNIDとOCPUNIDの設定”を選択します。

以下のように設定します。
“TUNIDの設定“のIPアドレス:三菱電機FR-E800SCEPAのIPアドレス
“TUNIDの設定”の“Safety Network Number”:SICK FX3-CPUの“Safety Network Number”
“OCPUNIDの設定“のIPアドレス:FX3-FEPRのIPアドレス
“COPUNIDの設定”の“Safety Network Number”:SICK FX3-CPUの“Safety Network Number”

パソコンとFR-E800SCEPAをUSB接続し、パラメータ及び安全パラメータを書き込み電源再投入します。

USBでオンライン接続した状態で“安全パラメータ設定”の“CIP Safety”から“構成のシグネチャの読出”を選択します。

“はい”を選択します。

この情報をSICKの“Generic EtherNet/IP CIP..”にも設定するのでメモしておきます。

4 SICK FX3の設定②

SICKの“Safety Designer”で“Generic EtherNet/IP CIP..”を開き、上述のFR-Configurator2の“構成のシグネチャ”と同じ内容を入力します。

三菱電機FR-E800SCEPAのEDSファイルをテキストエディタで開き、“Safety Input”の“$ Path”の内容をコピーします。

“Generic EtherNet/IP CIP..”の“接続”の“接続パス:安全入力”に貼り付け、アセンブリサイズを“4”にします。

三菱電機FR-E800SCEPAのEDSファイルをテキストエディタで開き、“Safety Output”の“$ Path”の内容をコピーします。

“Generic EtherNet/IP CIP..”の“接続”の“接続パス:安全出力”に貼り付け、アセンブリサイズを“4”にします。

接続画面でFX3-CPUと“Generic EtherNet/IP CIP..”を接続します。

FX3-CPUを開き、“接続概要”からRPIを以下のように設定します。

ロジックエディタを開き、以下のようなNX1P2とEthernet/IPで通信するタグと、FR-E800SCEPAとCIP Safetyで通信するタグを接続するロジックを作成します。
(以下は通信確認のための仮のものです。安全回路としては全く通用しませんので悪しからず)

パソコンとFX3-GEPRをUSB接続し書込み操作を行います。

5 動作確認

OMRON“Sysmac Studio”のウォッチウィンドウに以下のようにSICKと通信するタグを登録し、“SickOutput”に16進数“3”を入力します。

SICK“Safety Designer”のロジックエディタをモニタすると、Bit0:STOCとBit1:SS1Cがオンしており、FR-E800SCEPAの動力が入ります。

OMRON“Sysmac Studio”のラダーでFR-E800SCEPAの正転指令をオンすると、FR-E800SCEPAに接続

したモータが回転します。

“SickOutput”に16進数“0”を入力すると、FR-E800SCEPAの動力が遮断されモータが停止します。

6 参考文献

SICK:Operating_instructions_Flexi_Soft_Designer_Software_ja_IM0067937.pdf
三菱電機:FR-E800-SCE取扱説明書(機能安全編).pdf

以上。