Siemens S7-1200(Client) & Allen-Bradley Micro850(Server) : Ethernet/IP Explicit

PLC

Siemens S7-1200とAllenBradley Micro850をEthernet/IP(Explicit)で接続します。
S7-1200用のEthernet/IP(Explicit)通信機能を実現するサンプルプログラムが提供されているのでこれを利用し、Micro850内に宣言したグローバル変数への読み書きを行います。

1 構成
2 S7-1200側の設定
2.1 サンプルプログラムのダウンロード

参考文献に記載のSiemens社のサイトから今回使用するサンプルプログラムをダウンロードします。

2.2 TIA Portalの設定

TIA Portalの“プロジェクト”→“リトリーブ”からダウンロードしたZIPファイル内のプロジェクトファイルを選択し開きます。
”デバイスとネットワーク”を開き、今回必要なS7-1200以外は削除します。

今回使用するS7-1200がサンプルとは機種が異なるため、“デバイスの変更”で修正します。

S7-1200のIPアドレスを以下のように変更します。

“Main[OB1]”を開き、以下のようにMicro850のIPアドレス“192.168.250.2”に修正します。

“LCCF_CipClient”が赤く表示されている場合、右クリックして“ブロック呼び出しの更新”を選択します。

“OK”を選択します。

Micro800シリーズをサーバとする場合、“Slot”を127に修正します。

“LCCF_CipClient”の入力“Tags”に割り付けられている変数“”RockwellTags”.MyTags”を右クリックし“ジャンプ”→“定義”を開きます。

タグがサンプルとして予め定義されていますが、データ型のデータタイプコード“tagType”をMicro850の仕様に合わせて修正します。
また、S7-1200からのみ書込み可とする変数の“tagWrite”の開始値を“True”にします。

2.3 設定の書込み

S7-1200とパソコンをオンライン接続し、TIA Portalから書込み操作を行います。

3 Micro850側の設定
3.1 Connected Components Workbench(以下、CCW)の設定

CCWでプロジェクトを開き、“Ethernet”の設定を以下のように入力します。

“Grobal Variables”を開き、以下のようにSiemens側で設定したものと同じ名称の変数”MovingBits”、”MoveLeft”、”MoveStart”を作成します。

3.2 設定の書込み

Micro850とパソコンをオンライン接続し、CCWから書込み操作を行います。

4 動作確認

TIA Portalで“ウォッチテーブルとフォーステーブル”から“WatchCipClient”を開きます。

変数““InstCipClient”.enable“の値を”TRUE“に変更します。

“InstCipClient”の実行状態が以下のようになります。

“RockwellTags”の状態をモニタし“quality”が“G”となっていれば正常です。

TIA Portalで“ウォッチテーブルとフォーステーブル”から“WatchCipClient”を開き、
以下のように“RockwellTags”の“Value”を追加し、変更値を入力して書込みます。

CCWで“Grobal Variables”を開きモニタすると、S7-1200側で入力した値が反映されていることが確認できます。

なお、S7-1200の“RockwellTags”の“TagWrite”をFALSEにすると、
Micro850側で書き込んだ値がタグ値に反映され、Micro850からS7-1200に値を渡す形となります。

5 参考文献

Siemens:CIP Client – exchanging process data with third party control systems
Allen Bradley : Micro800 Programmable Controllers Getting Started with CIP Client Messaging

以上。